本作によせて
“うた” それは誰もが一度は口ずさんだことのあるもの。
生きていく中で様々な“うた”と出会い
心の中に大切にしまっておきたい“うた”がある。
それは生まれる前、お母さんのお腹に宿った時から、老いてゆくまでずっと。
音楽はその時代の社会や人々の心情、風景さえ表しています。
日本にはそんな私たちが生きる時代と共に受け継がれてきた
素晴らしい音楽がたくさんあります。
私も日本という国で生まれ育って、「唱歌」と出会いました。
昔から、そして現代においても広く親しまれ、唄われています。
小学生の頃、音楽教科書で初めて唱歌を耳にし、
それは今でも色褪せることなく残っています。
そんな素晴らしい音楽を残してくれた昔の人々。
今を生きる私たちが、次の世代に歌い継がれるよう
伝えていかなければと思いました。
そんなことを思っていた矢先、今回の唱歌アルバムのお話を頂きました。
これもまた音楽が繋いでくれた出会いです。
このアルバムに共に愛を注いでくれた人たちと選んだ
“わたしのすきなうた”
その1曲1曲にまた息を吹きかけて
今の時代感覚で聴く唱歌とでも言うような、新しい唱歌を創りました。
これからもずっと歌い継がれてほしい、
そんな願いを込めて。
この日本の四季、風景、人情を
懐かしい思い出と記憶と共に聴いてみてください。
―2010年4月6日 大山百合香―